たまりば

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茗荷の季節が近くなりました。

2012年06月12日

 今日はミョウガです。
 昨日はキュウリについてでしたが。
 
 幼い頃、ミョウガは苦手ではありませんでしたか?子どもは香りの強い香味野菜は嫌いな場合が多いですよね。
 ミョウガは中国の文献には随分と古い頃から書かれているようです。

 俗信ではミョウガを食べるともの忘れをすると言います。この「忘れてしまう」という話は仏教の方からきているようです。
 仏陀のお弟子さんにものすごく記憶力のない人物がいて、自分の名前さえ忘れてしまうほどだった。そこで仏陀は名前を書いた名札に紐をつけて首に掛けておくようにさせたというのです。これで自分の名前を思い出せるだろうと。ところが本人は名前の札を掛けていることも忘れてしまい、効果はなかった。
 この名前の札を「名荷(みょうが)」というので、食べる「茗荷」と同じ音であるところから、その連想で「ミョウガを食べると、ものを忘れてしまう」という話になったというのです。

 ところがミョウガはその香りで集中力を高め、記憶力も高めてくれる効用があると言います。香りのもとは「αピネン」という物質です。”pinene”のpine は松のことですから、松精油と近い物質であると想像がつくと思います。テレビン油などの香りと共通点があるのに気づきますよね。ミョウガは学習の効果を高めてくれる他に、食欲を増進し、血行・発汗を促したりもします。
 なによりもこのミョウガの成分は眠気を覚ましてくれますので、忘れてしまうどころか勉強にはうってつけということになります。どおりで文京区茗荷谷の周辺には学校が多いわけです。

 そうそう、昨日の続きでキュウリのことですが。その年に初めて畑でとれたキュウリを近くの川に流して、カッパに捧げるという風習のある農村がありました。
 川で馬の身体を洗っていると、カッパが川の底の方からそーっと近づいてきて、馬の「しりこだま」を抜いてしまうという伝説があったりします。「しりこだま」ではなく馬そのものを川へ引きずり込むという話もあります。また馬ではなくて人間であるとも言い、被害者は川で泳いで遊んでいる子どもだったりもします。日本全国、地域地域でいろいろな話がありますが、そのような被害にあわないようにカッパにキュウリを捧げるのだと言います。
 カッパは水の神であるとか、その使いであるとか考えられていて、水の神をまつる時にキュウリを捧げる風習があったことによるのだとも言います。米ばかりを生産していた時代に蔬菜は重要な作物で、その一番初めにできるのがキュウリだった訳です。ですから一番最初の作物を神様にお供えしたということです。
 お寿司屋さんでカッパ巻きを食べる時、瑞々しいキュウリに水神様を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
 隅田川の向こう岸。水神がまつられていた場所近くに、なにやらとっても高い塔が建ちましたが、キュウリに似ていると思いませんか。



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    Posted by シオチャン at 23:16│Comments(0)野菜と果物
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